「KOL」とは、「Key Opinion Leader(キーオピニオンリーダー)」を略した言葉で、インフルエンサーマーケティングにも関係するキーワードです。
この記事では、KOLの概要や、KOLとインフルエンサーとの違いなどを解説します。
KOLとは
「KOL」とは「Key Opinion Leader(キーオピニオンリーダー)」を略したもので、実は医療業界でも用いられている用語です。
特定の分野で専門的かつ最先端の知識を持ち、発言や行動に影響力のある人を指します。
中国や台湾などではKOLによるマーケティングが主流となっており、中国(台湾)版インフルエンサーとも呼ばれているようです。
具体的なKOLの特徴としては、「専門性」「コミュニケーションスキル」「柔軟性」の3つの要素があります。
前述したように、特定の分野で専門的な情報や経験を持っていることがKOLの大きな特徴です。
また、専門性だけでなく、高いコミュニケーション能力とトレンドに順応できる柔軟性も兼ね備えています。
この3つの特徴があるからこそ、KOLの発言や行動は消費者に影響を与えることができるのです。
インフルエンサーとKOLの違い
SNS上でその発言や行動に影響力を持つ存在は、インフルエンサーと呼ばれています。
先ほどご紹介したKOLの定義と照らし合わせると、インフルエンサーもKOLもあまり変わらないように感じる方もいるのではないでしょうか。
しかし、「専門性がある」という観点をもう少し深く考えると、インフルエンサーとKOLの違いがわかりやすくなります。
インフルエンサーとKOLを「専門性」の違いで分けると以下の例のようになるでしょう。
《例》
インフルエンサー:美容系インフルエンサーのAさん。コスメマニアとして有名であり、新作コスメのチェックには余念がない。フォロワーもその投稿を参考にコスメ選びをしている。
KOL:KOLのBさん。専門学校を卒業し、化粧品開発研究者として化粧品メーカーに勤務。化粧品の美容効果や安全性について、専門的かつ最先端の知識を持っている。
二人の違いをご理解いただけるでしょうか。
インフルエンサーにも、もちろん専門性はあります。
特にマイクロインフルエンサーやナノインフルエンサーは、美容やファッション、グルメなど特定の専門分野に特化していることが多いでしょう。
一方でKOLは、インフルエンサーの持つ専門性に権威(キャリアや資格、経験など)がプラスされ、信頼性をより高めた存在と言えそうです。
KOLとインフルエンサーのマーケティング効果の違い
では、先ほどの例で挙げたAさんとBさんがマーケティング施策を行ったら、その効果に違いはあるのでしょうか。
結論から申し上げると「施策の目的によっては効果に差が出る可能性がある」と言えます。
購買を促進するため専門性を前面に出した高度なブランディングを要する際には、権威性の高いKOLの起用が効果的かもしれません。
しかし、インフルエンサーにはKOLに劣らない「共感」や「信頼」を生み出す力があると考えられます。
なぜなら、消費者が求めているものは必ずしも「専門家の意見」であるとは限らないからです。
憧れや親しみを感じる存在として多くの共感を生むという点では、インフルエンサーマーケティングの効果はKOLに劣らないでしょう。
KOLは新しいマーケティングコンセプト
「KOL」は新しいマーケティングコンセプトとして、これから日本でも広く浸透していく可能性があります。
ただ、KOLとインフルエンサーは共通する部分も多く、その定義や立ち位置は今後変化していくかもしれません。
マーケティング施策の目的に照らして、インフルエンサーとKOLの起用を判断してみてはいかがでしょうか。