マーケティング施策に社会貢献の要素を取り入れた「コーズマーケティング」。
コーズマーケティングは、商品・サービスの販売促進や企業のイメージアップなどのメリットがあるのに加え、消費者も購買活動を通じて社会貢献ができます。
この記事では、コーズマーケティング(CRM)の概要や実施するメリット、失敗するコーズマーケティングの特徴を解説します。併せて、コーズマーケティングとインフルエンサーマーケティングとの相性についても紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
コーズマーケティング(CRM)とは?
コーズマーケティングは、商品・サービスの購入が社会課題に対する支援・貢献につながることを訴求し、販売を促進するマーケティング手法です。
正式には「コーズ・リレーテッド・マーケティング(Cause Related Marketing(CRM))」といい、ここでの「コーズ(Cause)」は、マーケティング活動のもとになる何らかの社会課題を指します。
コーズマーケティングでは、事前に商品・サービスの売上に対する寄付の割合を設定し(場合によっては公表し)、実際に生じた売上をその割合に基づき寄付するのが一般的です。コーズマーケティングの歴史は長いものの、近年ではCSR(企業の社会的責任)の手段として、世界中であらためて注目されています。
【参考】消費者の社会課題・社会貢献に対する意識
さまざまな消費者意識調査から、近年の消費者には以下のような傾向が見られます。
- 価格や品質が同じ商品なら、社会貢献できるほうを選択する
- 社会貢献のためなら、より多くのお金を支払っても良い
- 環境や社会に悪影響をおよぼす企業の商品は購入しない
コーズマーケティングは、こうした消費者の意識にもマッチしたマーケティング手法といえるでしょう。
コーズマーケティングの3つのメリット
コーズマーケティングを実施する企業には、次のようなメリットがあります。
- 社会貢献をしながら売上を伸ばせる
- 企業のイメージアップにつながる
- 従業員や顧客の意識が向上する
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
社会貢献をしながら売上を伸ばせる
コーズマーケティングは、企業が社会貢献と経済活動を両立できる、すなわち「社会貢献をしながら売上も伸ばせる方法」として活用されています。
社会貢献の具体例は、環境保護や震災復興、ボランティア団体への支援などです。
ただし、誤解してはいけないのが、コーズマーケティングの主目的はあくまで利益の獲得である点です。
商品・サービスの売上を伸ばすプロセスのなかに、社会貢献活動が組み込まれています。
企業のイメージアップにつながる
コーズマーケティングを実施すると、顧客や一般消費者に「あの会社は社会のために活動している」というポジティブなイメージを与えることができ、競合他社との差別化も図れるでしょう。
企業イメージが向上すれば、社会の役に立ちたいと考える消費者層など、新たな顧客を獲得可能です。
従業員や顧客の意識が向上する
コーズマーケティングでは、自社商品が売れれば売れるほど社会貢献につながるため、従業員は自分の仕事に誇りを持ちながら、より積極的に販売活動に取り組めます。
また、社会貢献活動をする団体の存在や取り組みについて、コーズマーケティングを通して周知できます。これにより、社会課題・社会貢献に対する顧客の意識も向上するでしょう。
失敗するコーズマーケティングの特徴
残念ながら、コーズマーケティングには失敗事例もあります。
ここでは、失敗しやすいコーズマーケティングの特徴を2つ紹介します。
商品・サービスとコーズの関連性が薄い
コーズマーケティングでどのような社会課題(=コーズ)への支援・貢献を行なうかは、慎重に検討する必要があります。
商品・サービスや企業とコーズとの関連性が薄いと、消費者は違和感を持ち、企業の活動に賛同しにくくなるためです。
過去には、商品・サービスとコーズとのミスマッチにより、批判が起きたマーケティング事例もあります。
「見せかけの社会貢献」になっている
利益を獲得するために社会貢献を“利用”していると認識されると、イメージアップどころか、イメージダウンにつながるかもしれません。
実際に、「グリーンウォッシュ」と呼ばれる概念も存在します。グリーンウォッシュとは、環境に配慮しているように見せかけ、実情のともなわない商品・サービスを売ることを指します。
コーズマーケティングの主目的は利益の獲得ですが、だからといって上辺だけの社会貢献をするのはNGです。
コーズマーケティングではインフルエンサーの活用もおすすめ
コーズマーケティングは、特に社会課題への関心が高いZ世代に効果的です。
Z世代は、「その商品を購入することで社会にどのような影響があるか」という点を重視しています。
よって、Z世代への影響力が大きいインフルエンサーを起用すると、さらにマーケティング効果を高められるでしょう。
また、社会貢献性の高いトピックはSNSでの情報拡散が見込まれるため、SNSでのインフルエンサーマーケティングとコーズマーケティングは相性が良いといえます。
まとめ
コーズマーケティングは、商品・サービスの購入が社会課題に対する支援・貢献につながることを訴求し、販売を促進するマーケティング手法です。
企業はコーズマーケティングを実施することで、社会貢献をしながら売上を伸ばせます。
ただし、商品・サービスと社会課題の関連性が薄かったり、利益を獲得するために社会貢献を“利用”していると捉えられたりすると、逆効果になってしまうため注意しましょう。
また、コーズマーケティングは、SNSを活用した若者向けのインフルエンサーマーケティングと相性が良い傾向にあります。
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