ライブ配信を活用した「ライブコマース」が注目を集めているなか、ライブコマースにインフルエンサーを活用する動きも増えてきています。
この記事では、ライブコマースの概要を紹介したうえで、インフルエンサーマーケティングにおけるライブコマースの課題と、成功させるポイントを解説します。
ライブコマースとは?
「ライブコマース」とは、インターネット上のライブ動画配信機能・サービスを活用し、ネットショッピングによる購買を促す販売手法のことです。
具体的には、販売したい商品やサービスについて訴求する目的でライブ動画を配信し、視聴者をECサイトなどに誘導します。
視聴者は、配信者にリアルタイムで質問したり、欲しいと感じた商品をすぐに購入したりすることが可能です。
ライブコマースでは、テキストや写真だけでは伝わりにくい情報を伝えらるとともに、リアルタイムで双方向のコミュニケーションが生まれるため、視聴者の購買意欲を高めやすいメリットがあるでしょう。
また、機材や通信環境さえ整えば無料でもライブ動画を配信できることから、日本でもライブコマースを取り入れるECサイトが増えてきています。
インフルエンサーマーケティングのライブコマースの課題
ライブコマースにインフルエンサーを活用するケースは多くありますが、残念ながら、インフルエンサーを活用しても期待するような成果を得られないケースもあります。
まずは、その理由から確認していきましょう。
フォロワー数が多くても成功するとは限らない
インフルエンサーは、1万人程度から多ければ100万人を超えるまでのフォロワーを抱えていますが、すべてのフォロワーが「そのインフルエンサーがおすすめする商品に興味がある」というわけではありません。
ユーザーは、「友達がフォローしているからなんとなくフォローしている」「インフルエンサーの顔やスタイルに憧れている」「写真の構図や加工方法を真似したい」など、さまざまな理由でインフルエンサーをフォローしています。
フォロワーが多いとはいえ「インフルエンサーの使っている物を知りたい・欲しい」と思っているフォロワーが少なければ、ライブコマースを実施しても購買につながらず、失敗してしまう可能性が大きくなるでしょう。
リアルタイムでのコミュニケーションは不得意な可能性も
InstagramやTwitterで活躍するインフルエンサーは、テキストや写真を通じて情報を発信することに長けていますが、リアルタイムでのコミュニケーションは不得意な可能性があります。
ライブコマースでは、商品・サービスの特徴や魅力をわかりやすく伝える力と、視聴者の興味を惹き付けるトーク力が求められます。
言動によりブランドイメージが傷つくリスクがある
リアルタイムで行われるライブコマースでは、配信中に流れる内容は修正ができず、視聴者はそのまま見聞きすることになります。
そのため、インフルエンサーの発言や態度によっては、ブランドイメージが傷ついてしまうリスクもあるのです。
加えて、インフルエンサーの言動から「インフルエンサーは商品について本当は良いと思っていないのでは?」などと、視聴者に不信感を与えてしまうケースもあるでしょう。
インフルエンサーを活用したライブコマースを成功させるポイント
では、インフルエンサーを活用したライブコマースを成功させるにはどうすればよいのでしょうか。
ここでは、成功のためのポイントを4点ご紹介します。
フォロワー属性からインフルエンサーを選定する
インフルエンサーを選定する際には、フォロワー数で比較するのではなく、フォロワーの「属性」を見極めましょう。
分析ツールを活用するほか、インフルエンサーの投稿に寄せられるコメントを実際に確認してみるのも大切です。
「私も欲しいです」「どこで買えますか?」などと、インフルエンサーがPRする商品や私物などに対するコメントが多くついていれば、ライブコマースとの相性も良いと判断できます。
ライブ配信の経験が豊富なインフルエンサーを見つける
ライブコマースに限らず、SNSのライブ配信機能を普段から活用しているインフルエンサーなら、視聴者とのコミュニケーション面で大きな失敗をするリスクは避けられるでしょう。
また、ライブ配信を積極的に行っているインフルエンサーは、そもそもリアルタイムでのコミュニケーションを好んでいることが多いと想定されるため、インフルエンサー自身が楽しんでライブコマースに参加してくれると期待できます。
台本作成・リハーサルを行う
ライブ配信に慣れているインフルエンサーだとしても、ブランドイメージが傷つくリスクを避けるため、ざっくりとした台本の作成やリハーサルは重要です。
商品やサービスのどのような特徴に触れてほしいのか、企業としてのNGワードは何かなど、お互いの認識をすり合わせておきましょう。
インフルエンサーらしいエピソードを盛り込む
通常のインフルエンサーのPR投稿では、いかに共感を得るかが成功のポイントといえます。
これは、ライブコマースの場合でも同様です。
企業から「言わされている」のではなく、インフルエンサーが熱量を持って話していることが伝わるよう、その人らしいエピソードを盛り込むなどするとよいでしょう。
さらにライブコマースの成果を高めるためには?
前述したライブコマースの成功ポイントに加え、以下の2点も押さえておきましょう。
配信トラブル対策は入念に
内容面での準備は万端でも、配信トラブルが発生して中断してしまっては台無しです。
事前に配信テストを実施し、通信回線の状態や機材トラブルの前兆はないかなどを入念にチェックしておいてください。
SNSなどで事前告知を複数回行う
ライブコマースの視聴者を集めるためには、事前告知が必要です。
SNSなどを活用し、インフルエンサーのフォロワーをはじめとするユーザーに向けて、できれば複数回の事前告知を行うのが理想でしょう。
まとめ
インフルエンサーを活用したライブコマースには、次のような課題があります。
- フォロワー数が多くても成功するとは限らない
- リアルタイムでのコミュニケーションは不得意な可能性も
- 言動によりブランドイメージが傷つくリスクがある
期待する効果を得るためには、インフルエンサーを選定する段階で「フォロワーの属性」「ライブ配信の経験」をしっかりとチェックしておきましょう。
また、台本やリハーサルによる前準備も大切です。
自社に合うインフルエンサーを見つけ、ライブコマースの成果を高めてみてはいかがでしょうか。